Daniel Roasteryでは、どの豆もやや深めに焙煎しています。 そのなかでも「中深焼き」は、しっかりとした苦味のなかに、 さりげない酸味と、かすかな甘みが感じられるブレンドです。 贅沢なひとときにも、慣れ親しんだ日常にも。 「マスター、いつものを」 そんな気軽さで手にとっていただければ、嬉しく思います。

むかし、長野の山あいで、 ざるを組み合わせた焙煎機で、パナマを焼いていました。 火加減も、焼きムラも、毎回違っていたけれど、 ときどき、とても美味しく焼けることがありました。 ジャスミンのような華やかな香りと、 しっとりとした土の匂いがふわりと立ちのぼるあの瞬間が、 今も忘れられません。 いま焼いているパナマも、 そのときの感動をもう一度届けたくて、 焙煎機と向き合いながら仕上げました。 やわらかな甘さと、奥にひそむやさしい苦味。 朝の静けさにも、午後の休息にも、 ふとした時間に寄り添う、そんな珈琲です。

柑橘を思わせる明るい酸味が特徴的です。 ダークチョコレートのようなコクとほろ苦さも、 同時に感じることができます。 にがすぎず、すっぱすぎず。 しっかしとした苦さと、 ほんのりとした果実感を楽しめます。 目覚めの悪い朝に、 気分を切り替えたい午後に、 窓辺で深呼吸をするような気持ちでどうぞ。